“キャリアデザインツリー” は、3つの要素(太陽、根、木)によって構成されています。それぞれの要素に描き加えられた言葉の意味やつながりについて、客観的に紐解いていくことによって、作成者のキャリアに対する想いや考え、悩みについて明らかにすることができます。
考察の3つのポイント
① 3つの要素の “バランス” をチェックする
「太陽はたくさんの言葉で表現できているのに、根と木はあまり描けていない」、「根はしっかりと広がって描けてるのに、木の枝が少ない」など、「太陽・根・木」の3つの要素に描かれた内容・記述量に偏りから、描いた人の価値観や特徴について知ることができます。
① 夢膨らむビジョナリータイプ |
太陽>根・木 |
将来の “ありたい姿” を自由に思い描くことができる想像力がある。バックキャスティングで考えることができる素養を持ち、将来のために「今、何をすべきか」と考えて行動することができる。堅実的な人が多い。根・木の記述量によっては、理想と現実とのギャップが大きい夢想家タイプの場合もある。 |
② ルールを守る真面目タイプ |
根>太陽・木 |
これまでの経験を、必要に応じて描き出すことができる記憶力がある。自分の強みや弱み、個性などを適切に導き出せる素養が高く、「自分らしさ」に基づくキャリアの構築に長けている。比較的、真面目なタイプに多く、自分で将来の意思決定をすることに苦手意識を持っている場合もある。 |
③ 今を大切にする自由人タイプ |
木>太陽・根 |
やりたいことややるべきことを、現実と照らし合わせて考えながら判断・行動できる。気持ちを素直に表現ができる人、すぐ行動に移すことができる人も多い。一方、理屈よりも感情を大切にする価値観を持つ人も少なくないため、周りの目を気にして行動できないような場合もある。 |
④ 自己理解できたバランスタイプ |
太陽=根=木 |
「過去ー現在ー未来」の3要素がバランスよく表現され、自分らしいキャリアを無意識のうちに選択できている人も多い。社会における自分の位置付けを客観的に捉えるセンスを持っている可能性がある。3要素のいずれも内容が乏しい場合は、自身のキャリアに関心が低い可能性も考えられる。 |
② 各要素での “優先順位” をつける
「太陽・根・木」の各要素のなかで、最も重要だと思うものを1つずつ選びます。続けて、2番目、3番目と順位をつけていき、その順番を付けた “理由” を振り返ってみます。自分が “大切にしていることの基準” を見つけるヒントになります。
大切にしていることの基準(例) 報酬が得られること メリットになること 将来に役立つこと 成長に繋がること 周りの人の為になること 社会に貢献すること お客様の幸せになること など
③ “記述内容” を客観的に評価する
私たちは、自分では気づかないうちに考えが偏ったり、視野が狭くなったりすることがあります。作成したキャリアデザインツリーを俯瞰して、客観的な視点から評価することで、偏向性や視野の狭さに気づくことができます。
実現可能だと思う範囲の制限がある
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「自分の力では到底実現できない」「目標を高くして失敗するが嫌」このような気持ちが強く出てしまうと、“ありたい姿(太陽)” になかなか近づけないキャリアプランになってしまいます。プランの3割程度でも上手くいけば十分と思って、少し挑戦的な行動計画も加えてみましょう。
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考えや気持ちを素直に出せていない
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自分の気持ちや考えを素直に表現することに苦手意識を感じている人は、無意識のうちに他者の目を意識したキャリアプランになってしまい、違和感を感じることがあります。そのような時は、2枚目のキャリアデザインツリーを描いて比較し、気持ちに合った表現の方を残しましょう。
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世の中の価値観に流され過ぎている
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世の中の価値観に合わせることによる安心感も幸せにつながりますが、合わせることが難しい場合に大きな不安を感じることもあります。「こうあるべき」という考え方に偏っていないか確認し、自分にとっての “ありたい姿” も尊重しながら、より良いバランスを見つけましょう。
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その他にも、3つの要素の “関係性” や “整合性”、他者との “共通点” や “相違点” について考察する方法など、Career Design Tree の考察方法は、目的に応じて数多く存在します。
活用方法
作成した “キャリアデザインツリー” を次のように活用することで、深い自己分析につなげることができます。
身近な人からフィードバックをもらう
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私たちの身近にいる人は、客観的な意見をもらうことのできる数少ない存在です。“キャリアデザインツリー” を用いて自分の考えや想いを共有することで、気づかなかった個性や特徴を発見できます。 |
キャリアコンサルタントとの面談で利用する
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これまでに取り組んできた仕事内容をまとめた職務経歴書に加え、これから取り組んでいきたいことを “キャリアデザインツリー” を使って伝えることで、より適切なアドバイスを得ることができます。 |
他者のキャリアデザインツリーと比較する
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他者によって描かれた “キャリアデザインツリー” には、自分とは異なる考え方や価値観など、様々な要素が詰まっています。見比べてみることで、これからの行動の選択肢を広げることができます。 |